両陛下 熊本地震の被災地を訪問


天皇皇后両陛下は19日、地震で大きな被害を受けた熊本県を訪れ、南阿蘇村と益城町の避難所で被災した人たちを見舞われました。


両陛下は19日正午すぎ、特別機で熊本空港に到着し、出迎えた熊本県の蒲島知事から県内の被災状況について説明を受けられました。
続いて自衛隊のヘリコプターに乗り換え、機内から被災状況を視察しながら南阿蘇村に向かわれました。両陛下は、阿蘇大橋が崩落したりアパートが倒壊して大学生が犠牲になったりした現場の上空にさしかかると、静かに黙とうをささげられたということです。
南阿蘇村に入った両陛下は、マイクロバスで避難所になっている南阿蘇中学校の体育館に向かわれました。村では、熊本地震で15人が死亡し、1人が行方不明になっているほか、今も500人以上の住民が避難生活を続けています。
南阿蘇中学校にも200人余りが避難していて、両陛下は、村長の先導で体育館に入ると二手に分かれ、被災者一人一人の前で膝をついてことばをかけて回られました。
天皇陛下は、自宅が全壊し孫と一緒に避難所にいた69歳の男性に「お体は無事ですか。ここでの生活はだいぶ長くなるんじゃないですか」と語りかけ、9歳になる孫の男の子が「地震は怖かったです」と話すと、「ずいぶん怖かったでしょうね」などと気遣われていました。
皇后さまも一人一人から被災の状況を聞き取り、「くれぐれもお大事になさってね」とか、「余震が収まるとよいですね」などと話されていました。
両陛下は、このあと再びヘリコプターに乗り込んで、2度にわたる震度7の地震で20人の死者が出た益城町に向かわれました。益城町でも3000人を超える人たちが避難生活を余儀なくされていて、両陛下は、200人余りが避難する益城中央小学校を訪ねて、被災した人たちにことばをかけて回られました。
天皇陛下は、85歳のお年寄りの女性が地震で28歳の孫娘を亡くしたと話すと「本当に残念なことでね」などと語りかけられていました。また、小学3年生の女の子から紙で作った花の飾りを贈られると「どうもありがとう。地震で大変だったでしょう。無事でよかったですね」と話されていました。
皇后さまは、耳の不自由な女性に手話を交えながら「元気ですか。大丈夫?」などとことばをかけられていました。
両陛下は、避難所を後にする際、被災者たちに囲まれると、「ありがとう」「元気でね」などとことばをかけながら笑顔で握手に応じられていました。
両陛下は、最後に熊本空港で災害対策にあたってきた関係者をねぎらったあと、東京への帰路につかれました。